2012年05月21日
三船祭
「三船祭」は平安貴族の船遊びを再現した車折神社の神事です。20日、嵐山・渡月橋の上流で、色鮮やかに装飾された約20隻の船上で舞楽が奉納されました。
新緑の嵐山を背景に、大堰(おおい)川の流れに乗って、御座船、雅楽を奏でる竜頭船や、茶を献上する鷁首船(げきすせん)などが次々と出船、平安装束をまとった男女が乗船し、舞や小唄を披露しました。
大堰川の船遊びは平安期の宇多上皇の御幸が始まりと言われ、今日では毎年5月第3日曜日に行われています。
奉納行事の一つとして行われる扇流しの行事は、室町時代、足利将軍が嵐山近くの天龍寺へ参詣の際、お供の童子が扇を誤って川に落したところ、扇が川面を流れる優美な様に将軍が喜悦に及んだところから、以後天龍寺参詣の度毎にお供の人々が競って扇を川に流したという故事に拠ります。
また、藤原家摂関政治の頃、藤原道長が大堰川に詩、和歌、管弦の三船を浮かべ、其々の船にその道の堪能者を乗せて、雅を競わせるという風雅な遊びを行いました。和歌、詩歌、管弦といずれにも秀でた藤原公任が三船のどの船に乗るか迷った末に和歌の船に乗り込みました。「朝まだき嵐の山の寒ければ紅葉の錦着ぬ人ぞなき」と詠み、喝采を浴びたのですが、当の本人は「詩の船に乗り漢詩をつくればもっと名声があがったのにと」と言ったのだとか。
後に、どの道にも才能がある人のことを「三舟の才」と呼び、当時の貴族の理想とされたといいます。
Posted by 京聯自動車観光部 篠田ほつう at 12:39│Comments(0)
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