平家物語 悲恋の尼寺

京聯自動車観光部 篠田ほつう

2014年05月07日 21:30



 祇王寺の新緑が素晴らしい風景を醸し出しています。
 祇王寺は、平家物語に登場する悲恋の尼寺です。大河ドラマでは描かれませんでしたが、都で評判の祇王・祇女という白拍子がいました。平清盛は姉の祇王を寵愛しましたので、妹の祇女も世にもてはやされ、母の刀自も立派な家屋に住まわせてもらえるようになり一家は富み栄えます。
 ところが、数年後、仏御前という若い白拍子が現れるのです。最初は会おうとしなかった清盛でしたが、祇王の勧めにより舞を躍らせます。しかしその後、清盛は仏御前に心変わりをし、祇王を都から追い出してしましました。
 悲しみにくれる祇王と、妹の祇女と母の刀自が隠棲した地が、この祇王寺です。のちには、仏御前もまた、「私の罪を許してください。もし許されるなら、一緒に念仏を唱えて極楽浄土の同じ蓮の上に生まれましょう」と祇王を追いかけこの寺で出家しました。
 仏間にある仏壇には、本尊大日如来、祇王、祇女、母刀自、仏御前、そして平清盛の木像が安置されています。祗王、祇女の像は鎌倉末期の作で、作者は不詳ですが目が水晶で鎌倉時代の特徴をよく表しています。(篠)

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