京の「おへそ」の桜が満開です。

京聯自動車観光部 篠田ほつう

2012年04月15日 10:23



 六角堂の御幸桜が満開です。中心が薄紅色で花弁が白色の枝垂れ桜が植えられています。傘を開けた衝立の形状もなんと六角形なんです。
 紫雲山頂法寺、かつて聖徳太子が淋浴し、今の本尊(丈一寸八分・約5.5cmの如意輪観音菩薩)の導きで建立したとされる古いお堂です。
 また、太子が淋浴したとされる池のほとりに、小野妹子を始祖とする僧侶の住坊が「池坊」と呼ばれました。池坊の祖先は、朝夕宝前に花を供えてきましたが、ついには代々いけばなの名手として知られるようになります。六角堂が生花発祥の地とされ、代々頂法寺の住職を池坊の家元が務める由縁です。



六角堂の東門を入ったところの敷石の中央に、円い穴があいた「へそ石」があります。かつては、ここが京都の中心地だったと言われています。寺はしばしば火災にあい、現在の建物は明治初期の再建ですが、寺地は往古のままで、「へそ石」は、今でも古都と華道の要となっています。
 また、親鸞上人が百日参籠の後、浄土真宗を生み出すお告げを受けた地として、真宗諸派にとっても聖地となっています。親鸞堂には、夢のお告げを聞いておられる姿「夢想之像」と六角堂参籠の姿を自刻されたと伝える「草鞋の御影」を安置しています。
 室町から江戸期にかけては、下京町衆の町堂としての役割を担いました。都の災害に際しては、六角堂の鐘をついて急を知らせたといいます。

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